神奈川皮膚のできものと粉瘤クリニック古林形成外科横浜院

医療コラム

ほくろを自分で取るのは危険?リスクと正しい対処法を解説!

ほくろ

神奈川県横浜市の「神奈川皮膚のできものと粉瘤クリニック 古林形成外科横浜院」です。当院では、日本形成外科学会認定の形成外科専門医が、ほくろの診察・治療を行っています。

本記事では、ほくろを自分で取ることによるリスクや、適切な対処法について解説します。ぜひご参考ください。

ほくろを自分で取るのは危険

ほくろ

「ほくろ」は、医学的には「色素性母斑(しきそせいぼはん)」と呼ばれ、母斑細胞が皮膚内で増殖することで形成される良性腫瘍です。

見た目が気になり、自分で取りたくなることもあるかもしれませんが、市販の器具や自宅での処置による「自己摘除」は非常に危険です。ここでは、その主なリスクについて解説します。

感染のリスク

清潔でない環境や不適切な器具を用いて処置を行うと、細菌が皮膚の内部に侵入しやすくなります。その結果、腫れ・強い痛み・膿が出る化膿性炎症を引き起こすことがあります。感染が進行すれば、抗生物質や外科的治療が必要になることもあります。

出血や血腫のリスク

ほくろの周囲には毛細血管が密に分布していることが多く、自己処置では止血が不十分になりがちです。そのため、出血が止まらない、あるいは皮下に血がたまり血腫ができるといったリスクが高くなります。

傷跡・瘢痕が残るリスク

医療機関での処置とは異なり、専門的な縫合や術後管理が行えない場合、傷跡が残る可能性が高くなります。そのため、傷が盛り上がって目立つ「肥厚性瘢痕」や「ケロイド」、色素沈着や陥凹を伴う傷跡といった整容的トラブルに発展することもあります。

神経や周囲組織へのダメージ

顔や手足など、感覚神経や血管が皮膚のすぐ下を通っている部位では、自己処置によって神経を傷つけてしまうリスクがあります。その結果、しびれや感覚の鈍さ、慢性的な痛みや知覚過敏など、日常生活に支障をきたす合併症を引き起こすことがあります。

悪性腫瘍を見逃すリスク

一見ほくろのように見えても、基底細胞がんや悪性黒色腫(メラノーマ)などの皮膚がんである可能性もあります。自己摘除してしまうと、組織を病理検査に出すことができず、本来必要だった診断や治療が大きく遅れてしまうおそれがあります。

皮膚の悪性腫瘍(皮膚がん)について

悪性黒色腫(メラノーマ)
悪性黒色腫(メラノーマ)

一般的に、ほくろは良性の皮膚腫瘍であり、健康に悪影響を及ぼすことはほとんどありません。そのため、顔や体にできた場合でも、特に異常がなければ過度に心配する必要はありません。しかし、まれに基底細胞がんや悪性黒色腫(メラノーマ)といった悪性腫瘍(皮膚がん)が含まれることがあるため、注意が必要です。

皮膚の悪性腫瘍には、「基底細胞がん」「有棘細胞がん(扁平表皮がん)」「悪性黒色腫(メラノーマ)」などがあり、比較的進行が緩やかなタイプから、進行が早く悪性度の高いタイプまでさまざまです。

以下のような異変を認める場合、皮膚がんの可能性が疑われるため、自己判断せず、できるだけ早く専門医を受診することが推奨されます。

  • 今までなかったほくろが突然出現した
  • 以前からあるほくろが急に大きくなった(特に6ミリ以上)
  • 色や形に変化がある(色が濃くなった、複数の色が混在している)
  • 円形・楕円ではなく、いびつな形をしている
  • 輪郭がにじんで、境界がはっきりしない

ほくろの治療法について

手術

ほくろの治療には、主に「レーザー治療」と「切除手術」の2つの方法があります。治療にあたっては、ほくろの大きさや位置、患者様のご希望などをふまえて適切な治療法が選択されます。

レーザー治療

レーザー治療は、母斑細胞が生成するメラニン色素に反応する特殊な光を照射することで、色素を破壊・減少させる治療法です。皮膚を切らずに治療が行えるため、ダウンタイムが少なく、日常生活への影響も少ないというメリットがあります。

ただし、1回の施術ですべての色素を除去できるとは限らず、状態により複数回の照射が必要になる場合があります。また、レーザー治療では母斑細胞を蒸散させるため、切除組織が残らず病理検査が行えないという点に注意が必要です。

切除手術

切除手術は、ほくろを皮膚の深部から取り除く治療法であり、根本的な除去と病理検査による診断が可能です。一度の処置でほくろの完全除去が可能な点もメリットです。

手術では、あらかじめ切除範囲を形成外科的観点から緻密にデザインし、丁寧に摘出・縫合を行います。縫合には、皮下に吸収性の糸を用いて真皮縫合を行い、表皮には極細の非吸収糸を使用することで、傷跡が目立たないよう丁寧に処置します。

摘出した組織は病理検査に提出することができ、悪性の有無を確認することができます。

まとめ

待合

ほくろは見た目が気になることもあり、自分で取り除きたくなる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、自己処置による摘除は非常に危険であり、以下のようなリスクが伴います。

  • 感染のリスク
  • 出血や血腫のリスク
  • 傷跡・瘢痕が残るリスク
  • 神経や周囲組織へのダメージ
  • 悪性腫瘍を見逃すリスク

中でも特に注意すべきは、悪性腫瘍を見逃すリスクです。見た目は普通のほくろに見えても、基底細胞がんや悪性黒色腫(メラノーマ)などの皮膚がんである可能性もあります。このような背景から、ほくろに関して気になる変化や症状がある場合は、自己判断せずに医療機関を受診して、適切な診断と治療を受けることが重要です。

ほくろの治療は当院へご相談ください

神奈川皮膚のできものと粉瘤クリニック 古林形成外科 横浜院

神奈川県横浜市の「神奈川皮膚のできものと粉瘤クリニック 古林形成外科横浜院」では、日本形成外科学会認定の形成外科専門医が、皮膚疾患に対する専門的な知見をもとに、ほくろの診断と治療を行っています。

当院では、患者さま一人ひとりの症状やご希望を丁寧にお伺いし、豊富な経験と専門知識に基づいた治療を行っています。ほくろに関する不安やお悩みがある方は、当院までお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

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神奈川皮膚のできものと粉瘤クリニック
院長 大峯 啓志

神奈川皮膚のできものと粉瘤クリニック 古林形成外科横浜院では、皮膚疾患を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科専門医が診療を担当しています。当院では、粉瘤、脂肪腫、眼瞼下垂、耳垂裂などの疾患に対応した日帰り手術をはじめ、形成外科全般の診療を行っています。

神奈川皮膚のできものと粉瘤クリニック 古林形成外科横浜院では、皮膚疾患を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科専門医が診療を担当しています。当院では、粉瘤、脂肪腫、眼瞼下垂、耳垂裂などの疾患に対応した日帰り手術をはじめ、形成外科全般の診療を行っています。

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