粉瘤が痛い!炎症性粉瘤とは何か、症状や治療法を解説

神奈川県横浜市の「神奈川皮膚のできものと粉瘤クリニック 古林形成外科横浜院」です。当院では、日帰り手術による粉瘤の治療を行っています。
「粉瘤が痛くなった」「腫れて赤くなってきた」などの症状がある場合、炎症性粉瘤の可能性があります。本記事では、炎症性粉瘤とはどのような病気か、その症状・原因・治療法について解説します。ぜひご参考ください。
粉瘤が痛いのは「炎症性粉瘤」の兆候

粉瘤は、皮膚の下にできる袋状の構造(嚢腫)に、皮脂や角質などの老廃物がたまってできる良性の腫瘍です。通常は痛みを伴いませんが、もし痛みを感じる場合は「炎症性粉瘤」が疑われます。
炎症性粉瘤とは、粉瘤が何らかの原因で炎症を起こした状態で、急に腫れて強い痛みを伴うのが特徴です。患部には赤みや熱っぽさが現れ、炎症が進むと発熱や全身のだるさ(倦怠感)を感じることもあります。
痛みの程度には個人差があり、軽い場合は「押すと痛い」程度ですが、重症化すると安静時にも痛みが続き、日常生活に支障をきたすことがあります。炎症が悪化して膿がたまると、夜も眠れないほどの激しい痛みに進行することもあります。
小さな粉瘤であっても、一度炎症を起こすと短期間で大きく腫れ上がり、強い痛みを伴うことがあります。炎症が軽いうちに治療を行うことで、腫れや痛みの悪化を防ぎ、再発のリスクも抑えることができます。粉瘤に痛みを感じた場合は、できるだけ早く医療機関を受診し、適切な処置を受けることが大切です。
炎症性粉瘤の原因

炎症性粉瘤を発症する主な原因には、「細菌感染」と「異物反応」の2つが挙げられます。
粉瘤の内部には、皮脂や角質などの老廃物が蓄積しており、細菌が繁殖しやすい環境が形成されています。皮膚の表面には「常在菌」と呼ばれる細菌が存在し、通常は皮膚のバランスを保っていますが、粉瘤内でこれらの細菌が過剰に増殖すると、免疫反応が誘発され、炎症を引き起こします。
また、近年では細菌感染だけでなく、「異物反応」が炎症の主な原因となるケースも明らかになってきています。粉瘤の袋状の構造(嚢腫)が外的な圧迫や摩擦などによって破裂した場合、内部に蓄積された内容物が皮下組織に漏れ出すことがあります。これらの内容物は体内にとって「異物」として認識されるため、免疫細胞による攻撃反応が生じ、強い炎症反応が発生します。
炎症性粉瘤の治療

炎症性粉瘤の治療には、主に「抗生物質の内服」「切開排膿処置」「摘出手術」があります。それぞれの治療法の特徴と注意点について解説します。
抗生物質の内服
炎症性粉瘤のうち、細菌感染が関与している場合には、抗生物質の内服によって炎症や感染の拡大を抑えることがあります。ただし、抗生物質による治療は、効果が限定的であることが多く、根本的な解決には至りません。そのため、抗生物質は一時的な炎症のコントロールを目的とした補助的な治療として行われます。
切開排膿処置
炎症が強く、膿がたまっている場合には、患部を小さく切開して内部にたまった膿や老廃物を排出する「切開排膿処置」を行います。切開排膿処置により、腫れや痛みが一時的に軽減され、炎症を和らげる効果が期待できます。
ただし、粉瘤の袋状構造(嚢腫)が体内に残っている限り、再び炎症を繰り返すリスクがあります。切開排膿はあくまでも応急的な対処法になります。
摘出手術
粉瘤を根本的に治療するためには、袋状の構造(嚢腫)を手術で完全に取り除く必要があります。摘出手術には、主に「くり抜き法」と「切開法」の2種類があり、症状や粉瘤の大きさ、炎症の有無に応じて適切な方法が選択されます。
摘出手術においては、炎症の経過が短い場合には、被膜を含めた袋状の構造を一塊で摘出しやすく、再発リスクも低く抑えられます。一方、炎症が長期間にわたると、被膜が周囲の組織と癒着し、完全な摘出が難しくなり、再発のリスクが高まる傾向があります。このような理由から、できるだけ早期の摘出手術が推奨されます。
当院の炎症性粉瘤の治療方針
炎症性粉瘤の治療では、抗生物質の内服や切開排膿処置のみでは再発のリスクが高く、根本的な治療とはなりにくいのが現状です。そのため当院では、炎症を伴っている場合であっても、基本的には摘出手術を実施しております。摘出手術は、日帰りで対応可能です。
炎症を起こした粉瘤では、袋状の被膜組織が皮膚や周囲の組織と癒着していることがあり、摘出が難しくなるケースもありますが、当院では可能な限り傷を小さく抑えながら、丁寧に摘出を行っています。
まとめ

粉瘤に痛みを感じる場合は、「炎症性粉瘤」が疑われます。炎症性粉瘤とは、粉瘤が何らかの原因で炎症を起こした状態であり、急激な腫れや強い痛みを伴うのが特徴です。患部には赤みや熱感が生じ、炎症が進行すると発熱や全身のだるさ(倦怠感)を感じることもあります。
炎症性粉瘤の治療には、「抗生物質の内服」「切開排膿処置」「摘出手術」があり、根本的な治療には、袋状の構造(嚢腫)を手術で完全に取り除く摘出手術が必要です。当院では、炎症を伴う粉瘤に対しても、可能な限り傷跡を小さく抑えながら、日帰りでの摘出手術を行っています。
炎症性粉瘤の治療は当院までご相談ください

神奈川県横浜市の「神奈川皮膚のできものと粉瘤クリニック 古林形成外科横浜院」では、粉瘤の治療を日帰り手術で行っています。
当院では、炎症を伴う粉瘤に対しても、可能な限り傷跡を小さく抑えながら、原則として日帰りでの摘出手術を行っています。診療は、皮膚領域に精通した日本形成外科学会認定の形成外科専門医が担当いたします。
炎症性粉瘤でお困りの方は、当院までお気軽にご相談ください。