耳の後ろのしこりは悪性のサイン?受診の目安と何科に行くべきか
神奈川県横浜市の「神奈川皮膚のできものと粉瘤クリニック 古林形成外科横浜院」です。当院では、粉瘤や脂肪腫などの皮膚のできものに対し、日帰り手術による治療を行っています。
耳の後ろにしこりができると、「がんではないか」「病院に行くべきか」と不安に感じる方も少なくありません。実際には、粉瘤やリンパ節の腫れなど良性の原因によることが多い一方で、まれに悪性疾患が関係している場合もあります。
本記事では、耳の後ろにしこりができる主な原因や考えられる病気、受診の目安、そして適した診療科について解説します。
耳の後ろにしこりができるのはなぜ?

耳の後ろにしこりができる原因はさまざまですが、多くの場合は皮膚や皮下組織、リンパ節の反応によるものです。しこりの大きさや硬さ、痛みの有無、動くかどうかなどによって、原因が異なります。
耳の後ろにはリンパ節が集まっており、風邪や中耳炎、咽頭炎などの感染症が起きた際に炎症反応として腫れることがあります。これは「リンパ節の腫れ(リンパ節腫脹)」と呼ばれ、体が細菌やウイルスと戦っているサインです。通常は感染が治ると自然に小さくなります。
また、皮膚の下にできる良性のしこりとして粉瘤や脂肪腫もよく見られます。粉瘤は皮膚の内側に角質や皮脂がたまって袋状になったもので、炎症を起こすと赤く腫れて痛みを伴うことがあります。一方、脂肪腫は皮下脂肪が増殖してできる柔らかいしこりで、痛みを感じないことがほとんどです。
このように、耳の後ろのしこりは多くの場合良性の変化や一時的な炎症によるものですが、まれに悪性腫瘍(がん)やリンパに関連する病気のサインの場合もあります。そのため、気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
耳の後ろのしこりで考えられる主な原因・病気

耳の後ろにしこりができる原因は、皮膚や皮下組織の炎症から腫瘍性疾患まで多岐にわたります。ここでは、代表的な疾患について解説します。
1. リンパ節炎(リンパ節腫脹)
耳の後ろにはリンパ節があり、風邪・扁桃炎・中耳炎・咽頭炎などの感染症に対する免疫反応として、一時的に腫れることがあります。触ると弾力があり、軽く動くのが特徴で、多くの場合は痛みを伴い、感染が治まると自然に小さくなる傾向があります。
ただし、長期間しこりが消えない・硬くて動かない場合は、悪性疾患の可能性もあるため、精密検査が必要です。
2. 乳様突起炎(にゅうようとっきえん)
耳の後ろの骨(乳様突起)は中耳(耳の奥)とつながっており、中耳炎が悪化するとこの骨の内部にまで炎症が広がることがあります。この状態を「乳様突起炎」といいます。
耳の後ろが赤く腫れて強い痛みを感じるのが特徴で、発熱を伴うこともあります。放置すると骨内に膿がたまり、髄膜炎など重篤な合併症を起こす危険があるため、早急な治療が必要です。
特に子どもに多い疾患ですが、大人でも中耳炎を繰り返す場合は注意が必要です。
3. 粉瘤
粉瘤は、皮膚の下に角質や皮脂がたまって袋状になった良性腫瘍です。耳の後ろや首の後ろなど、皮脂腺が多い部位に発生しやすく、初期は皮膚の下に小さなしこりとして現れます。多くの場合、痛みやかゆみなどの自覚症状がないため、気づかずに放置されることも少なくありません。
しかし、放置すると徐々に大きくなり、細菌感染を起こすことがあります。炎症が起こると、患部が赤く腫れて熱を持ち、化膿して強い痛みを伴うことがあります。このような場合には、できるだけ早く膿を排出する処置など、早期の治療が必要となります。
粉瘤を根本的に治すには、袋ごと完全に切除する手術が必要です。手術は多くの場合、局所麻酔で日帰り手術として行うことが可能です。
4. 脂肪腫
脂肪腫は、皮下の脂肪細胞が増殖してできる柔らかい良性のしこりです。触るとゆっくり動くのが特徴で、痛みを伴うことはほとんどありません。
数cmほどの小さなものから、まれに5cm以上に大きくなることもあります。通常は経過観察で問題ありませんが、大きくなったり見た目が気になる場合は、局所麻酔による日帰り手術で切除可能です。
5. その他の疾患(耳下腺炎・膿瘍・がんなど)
耳の後ろのしこりは、上記以外の疾患によっても起こることがあります。
- 耳下腺炎:ウイルスや細菌が耳下腺に感染して炎症を起こす病気。発熱や耳の下の腫れを伴います。
- 皮下膿瘍:皮膚の下に膿がたまった状態で、熱感と激しい痛みを伴います。
- 悪性リンパ腫・転移性がん:まれに悪性腫瘍が原因となる場合があります。硬く、動かないしこりが特徴で、早期発見が重要です。
悪性リンパ腫などのがんとの関係

耳の後ろのしこりは多くの場合、炎症や良性腫瘍によるものですが、まれに悪性の病気が関係していることがあります。代表的なのが悪性リンパ腫や転移性がんです。
悪性リンパ腫は、リンパ球という免疫細胞ががん化する病気で、耳の後ろにあるリンパ節が腫れてしこりとして触れることがあります。一般的には痛みがなく、しこりは硬く、動かず、時間とともに大きくなる傾向があります。また、発熱や体重減少といった全身の症状を伴うこともあります。
転移性がんは、他の場所で発生したがん細胞がリンパの流れに乗って耳の後ろのリンパ節に広がり、しこりを作ることがあります。この場合もしこりが硬く、動きにくく、徐々に大きくなる傾向があります。
しこりが長期間続く、徐々に大きくなる、硬くて動きにくいなどの特徴がある場合は、早めに医療機関を受診し、検査を受けることが大切です。
受診の目安と何科に行けばいいか

耳の後ろにしこりができた場合、その多くは一時的な炎症や良性の変化によるもので、すぐに大きな病気を疑う必要はありません。しかし、しこりの性状や経過によっては、早めの受診が必要になることもあり、注意が必要です。
受診を検討すべき主なサイン
以下のような場合は、できるだけ早く医療機関を受診することをおすすめします。
- しこりが2週間以上経っても小さくならない
- しこりが徐々に大きくなっている
- しこりが硬く、動かない
- 強い痛みや赤み、熱感を伴う
- 発熱や倦怠感、体重減少など全身の症状がある
このような症状がある場合、炎症によるものだけでなく、リンパ節の病気や腫瘍性疾患の可能性も考えられます。
何科を受診すればいい?
耳の後ろのしこりは、原因によって適切な診療科が異なります。まずは以下を目安に受診先を検討しましょう。
症状と診療科
まとめ|耳の後ろのしこりは自己判断せず専門医へ

耳の後ろにしこりができる原因は、リンパ節の腫れや粉瘤、脂肪腫などの良性疾患であることが多い一方で、まれに悪性リンパ腫や転移性がんなど、重大な病気が関係している場合もあります。見た目や触った感触だけでは原因を正確に判断できないため、自己判断で放置せず、専門医の診察を受けることが大切です。
しこりが2週間以上続く、徐々に大きくなる、硬くて動かない、痛みや赤み、発熱を伴うといった症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。耳鼻咽喉科・形成外科・皮膚科など、原因に応じた適切な診療科で診察を受けることで、早期に原因を特定し、適切な治療につなげることができます。
少しでも不安を感じたら、まずは専門医へ相談し、正確な診断と適切な治療を受けることが重要です。
粉瘤・脂肪腫の治療は当院までご相談ください

神奈川県横浜市の「神奈川皮膚のできものと粉瘤クリニック 古林形成外科横浜院」では、粉瘤や脂肪腫などの皮膚のできものに対して、日帰り手術による治療を行っています。
当院では、皮膚領域を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科医が診療を担当しています。患者さま一人ひとりの状態に合わせ、豊富な知識と経験に基づいた治療をご提供いたします。
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