脂肪腫の手術費用と保険適用についてわかりやすく解説!

神奈川県横浜市の「神奈川皮膚のできものと粉瘤クリニック 古林形成外科横浜院」です。当院では、日帰り手術による脂肪腫の治療を行っています。
本記事では、脂肪腫の手術費用や保険適用の内容などについて解説します。ぜひご参考ください。
脂肪腫の保険適用と手術費用

脂肪腫とは、リポーマとも呼ばれる皮膚の下に発生する良性の腫瘍です。内服薬や外用薬では治療することができず、根本的な治療には外科的な摘出手術が必要となります。
ここでは、脂肪腫の保険適用の内容と手術費用について解説します。
脂肪腫の保険適用について
脂肪腫の治療においては、診察、検査、手術、病理検査など、すべての医療行為が健康保険の適用対象となります。手術費用は、脂肪腫の大きさや発生部位によって異なります。
また、民間の医療保険に加入されている場合は、契約内容に応じて手術給付金の支払い対象となることもあります。具体的な給付対象や条件については、ご加入の保険会社にご確認ください。
脂肪腫の手術費用
脂肪腫の手術費用は、手術部位が「露出部」か「非露出部」かによって異なります。また、脂肪腫の大きさによっても費用に差が生じることがあります。手術費用の目安については、以下の表をご参照ください。
なお、実際にかかる医療費は、手術費用のほかに、診察料、処方料、検査費用、病理検査費用などが発生します。
露出部(顔、首、肘から指先まで、膝から足先まで)の場合
切除した粉瘤の直径の合計 | 3割負担 | 1割負担 |
2cm未満 | 5,000〜6,000円程度 | 2,000円程度 |
2cm〜4cm | 11,000〜12,000円程度 | 4,000円程度 |
4cm以上 | 13,000〜14,000円程度 | 4,500円程度 |
非露出部の場合(露出部以外)
切除した粉瘤の直径の合計 | 3割負担 | 1割負担 |
3cm未満 | 4,000~5,000円程度 | 1,500円程度 |
3cm~6cm未満 | 10,000~11,000円程度 | 3,500円程度 |
6cm~12cm未満 | 12,000~14,000円程度 | 4,500円程度 |
12cm以上 | 25,000円程度 | 8,000円程度 |
脂肪腫の基本情報について

脂肪腫の治療を検討する際には、保険の適用範囲や手術費用だけでなく、脂肪腫そのものの特徴を理解しておくことも大切です。ここでは、脂肪腫の症状や種類、治療法についてわかりやすく解説します。
脂肪腫の症状
脂肪腫は、皮下で脂肪細胞が増殖して塊となり、皮膚が徐々にドーム状に盛り上がることが特徴です。触ると柔らかく弾力があり、指で押すと皮膚の下で動く感触があります。通常は痛みやかゆみを伴うことはほとんどありません。
脂肪細胞が存在する部位であれば、全身どこにでも発生する可能性があり、特に首の後ろや側面、肩甲骨周辺、背中、上腕、大腿部など、皮下脂肪が豊富な部位に多く見られる傾向があります。
脂肪腫の主な種類
脂肪腫にはいくつかの種類が存在し、それぞれ特徴が異なります。
線維脂肪腫
脂肪腫の中でも、最も多く見られるのが線維脂肪腫です。線維脂肪腫は、脂肪細胞の中に膠原線維が多く含まれており、被膜に包まれた柔らかい感触のしこりとして皮膚直下に発生します。
通常、痛みや皮膚の変色は見られませんが、後頚部や上背部など刺激や圧がかかりやすい部位に多く発生し、放置すると徐々に大きくなることがあります。
筋脂肪腫
筋脂肪腫は皮膚の比較的深い層、特に筋肉内に発生する脂肪腫であり、後頚部に好発します。被膜が不明瞭なこともあり、筋肉に浸み込むように発生する場合もあるため、摘出する際には切開部が大きくなることがあります。
血管脂肪腫
血管脂肪腫は、成熟した脂肪細胞の隙間に毛細血管が多く含まれている脂肪腫で、背部や腹部、さらには上下肢にも好発し、全身に多発することもあります。
しこりはやや硬く、直径1センチ程度の小さなものが多くなっています。特徴として、触れなくても痛みを感じる自発痛や、押すと痛みが生じる圧痛がみられる点が挙げられます。
脂肪腫の治療
脂肪腫は、内服薬や外用薬では治療することができず、内容物が液状ではないため、注射器による吸引も効果がありません。根本的な治療には外科的摘出手術が唯一の方法となります。
摘出の際には、腫瘍を部分的に残すと再発のリスクが高まるため、脂肪腫を被膜ごと一塊として完全に取り除くことが重要です。
脂肪腫は一般的には良性であり、時間の経過とともにゆっくりと拡大していく傾向がありますが、中には急速に成長するものや、大型化したものの中に悪性腫瘍(脂肪肉腫)が含まれる場合もあります。そのため、必要に応じて摘出後に病理組織検査を実施し、悪性所見の有無を確認する場合があります。
まとめ

脂肪腫とは、「リポーマ」とも呼ばれる、皮膚の下に発生する良性の腫瘍です。治療には、外科的摘出手術が唯一の根本的な方法となります。
脂肪腫の治療では、診察、検査、手術、病理検査など、すべての医療行為が健康保険の適用対象となります。手術費用は、脂肪腫の大きさや発生部位によって異なります。
脂肪腫を放置すると、時間の経過とともに徐々に大きくなり、手術時の切開範囲が広がることで、傷あとが目立ちやすくなるリスクが高まります。そのため、できるだけ早く医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
脂肪腫の治療は当院までご相談ください

神奈川県横浜市の「神奈川皮膚のできものと粉瘤クリニック 古林形成外科横浜院」では、脂肪腫の治療を日帰り手術で行っています。
当院では、皮膚領域を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科医が診療を担当しています。患者さま一人ひとりの状態に合わせ、豊富な知識と経験に基づいた治療をご提供いたします。
脂肪腫でお困りの方は、当院までお気軽にご相談ください。