粉瘤はなぜできる?原因やできやすい人の特徴を解説!

神奈川県横浜市の「神奈川皮膚のできものと粉瘤クリニック 古林形成外科横浜院」です。当院では、日帰り手術による粉瘤の治療を行っています。
本記事では、粉瘤の主な原因や、どのような方にできやすいのかといった特徴について解説します。ぜひご参考ください。
粉瘤(ふんりゅう)とは

粉瘤は、皮膚の下にできる袋状の構造の中に、角質や皮脂などの老廃物がたまることで発生する良性の腫瘍です。医学的には「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」または「アテローム」とも呼ばれます。
顔・首・背中・耳の後ろなど、皮脂腺が多い部位にできやすく、初期は皮膚の下に小さなしこりとして現れます。多くの場合、痛みやかゆみなどの自覚症状がないため、気づかずに放置されることも少なくありません。
しかし、放置すると徐々に大きくなり、細菌感染を起こすことがあります。炎症が起こると、患部が赤く腫れて熱を持ち、化膿して強い痛みを伴うことがあります。このような場合には、できるだけ早く膿を排出する処置など、早期の治療が必要となります。
粉瘤はなぜできる?原因を解説

粉瘤のはっきりとした発生原因は、現時点では完全に解明されていません。ただし、毛穴の詰まりやウイルス感染、皮膚への外傷、さらには遺伝的な体質などが関与していると考えられています。
また、体質的に粉瘤ができやすい方もおり、1つだけでなく複数の粉瘤が同時にできたり、時間をおいて繰り返しできたりするケースもあります。
発症のメカニズムとしては、本来は皮膚の表面にあるべき表皮の一部が、何らかの刺激(外傷や摩擦など)によって皮膚の内部に入り込むことで、袋状の構造(嚢腫)が形成されます。この袋の中に角質や皮脂などが徐々にたまり、しこりとして成長していくのが粉瘤の特徴です。
粉瘤ができやすい人の特徴

粉瘤のはっきりとした発生原因は明らかになっていませんが、いくつかの研究により、粉瘤ができやすい人には特定の傾向があることが示唆されています。ここでは、粉瘤ができやすい人の特徴についてご紹介します。
1.皮脂の分泌が多い人
粉瘤は、皮膚の下に袋状の組織が形成され、その中に皮脂や角質がたまることで発生する良性腫瘍です。そのため、皮脂の分泌が多く皮膚が油っぽくなりやすい人(脂性肌)は、毛穴が詰まりやすく、粉瘤ができやすい傾向があると考えられます。
2.毛穴が詰まりやすい人
肌の表面を覆っている皮膚細胞である「角質」が厚くなり、毛包の開口部が塞がれると、皮脂や角質が排出されにくくなり、毛包が閉塞して粉瘤が形成されやすくなります。肌のターンオーバーが乱れている方や、スキンケアが不十分な場合もリスクが高まります。
3.肌への刺激が多い人
摩擦、圧迫、紫外線などによる慢性的な刺激は、皮膚の表面に微細な損傷を与え、表皮細胞が皮下に入り込む原因となります。このような刺激が繰り返されることで、粉瘤の原因となる袋状の組織(嚢腫)が形成されやすくなります。
背中に粉瘤ができやすいのは、衣類による摩擦や、リュックサックのストラップによる圧迫など、日常的に外的刺激を受けやすい部位であることが一因とされています。
4.ニキビができやすい体質の人
ニキビと粉瘤は異なる疾患ですが、過剰な皮脂分泌や毛包の閉塞といった皮膚環境の共通点があります。そのため、慢性的にニキビができやすい人は、粉瘤ができるリスクも高いと考えられています。
5.遺伝的な要因を持つ人
家族に粉瘤ができやすい人がいる場合、遺伝の影響により、体質的に粉瘤ができやすい可能性が指摘されます。特に、皮膚に複数の粉瘤ができる「多発性粉瘤症」のような特殊なタイプは、遺伝的な要因との関連性が報告されています。
6.男性であること
粉瘤は統計的に女性よりも男性に多く見られる傾向があります。特に顔、首、背中、胸などの皮脂腺が発達している部位に発生しやすいとされています。
7.不規則な生活やストレスが多い人
生活習慣の乱れやストレスはホルモンバランスの崩れや免疫機能の低下を引き起こし、皮膚環境の悪化を招く要因となります。その結果、毛穴の閉塞や皮膚の炎症が起こりやすくなり、粉瘤の発生リスクも高まると考えられます。
まとめ

粉瘤の発生原因は、現在のところ完全には解明されていません。ただし、毛穴の詰まりやウイルス感染、皮膚への外傷、さらには遺伝的な体質などが関与していると考えられています。できやすい人の特徴としては、皮脂の分泌が多い方、毛穴が詰まりやすい方、肌への刺激が多い方などが挙げられます。
粉瘤は放置しても自然に治ることはなく、時間の経過とともに徐々に大きくなったり、細菌感染を起こして炎症を伴うリスクがあります。症状に気づいた場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
粉瘤の治療は当院までご相談ください

神奈川県横浜市の「神奈川皮膚のできものと粉瘤クリニック 古林形成外科横浜院」では、粉瘤の治療を日帰り手術で行っています。
当院では、皮膚領域を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科医が診療を担当しています。患者さま一人ひとりの状態に合わせ、豊富な知識と経験に基づいた治療をご提供いたします。
粉瘤でお困りの方は、当院までお気軽にご相談ください。