脂肪腫を自分で取るのは危険!3つのリスクと対処法を専門医が解説
神奈川県横浜市の「神奈川皮膚のできものと粉瘤クリニック 古林形成外科横浜院」です。当院では、日帰り手術による脂肪腫の治療を行っています。
皮膚の下にできた柔らかいしこりに気づき、「これくらいなら自分で取れるかも」「わざわざ病院に行くほどでもないかな」と思ったことはありませんか。脂肪腫は良性腫瘍であることが多いため、軽く考えられがちですが、自己判断で処置を行うことは危険です。
本記事では、脂肪腫を自分で取ることがなぜ危険なのかについて、具体的なリスクを解説するとともに、適切な対処法をご紹介します。脂肪腫でお悩みの方や、受診すべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
脂肪腫を自分で取るのはNG|3つのリスク

皮膚の下にできた柔らかいしこり「脂肪腫」が気になり、自己判断で処置を考える方もいます。しかし、脂肪腫を自分で取ろうとする行為は危険です。自己処置によって「きれいになくなる」どころか、感染や傷跡の悪化など、取り返しのつかないトラブルにつながる可能性があります。
ここでは、自己処置によって生じる注意すべき3つのリスクについて解説します。
細菌感染による化膿と炎症
最も起こりやすいトラブルが、不衛生な処置による細菌感染です。家庭にある器具などで皮膚を傷つけると、傷口から細菌が入り込み、感染を引き起こすことがあります。その結果、もともとは痛みのなかったしこりが赤く腫れ上がり、強い痛みを伴う状態になることがあります。
感染を起こした場合、本来であれば短期間で済んだ治療が長引き、抗菌薬の投与や切開して膿を出す処置など、追加の治療が必要になることもあります。
被膜(袋)の取り残しによる再発
脂肪腫は、単なる脂肪のかたまりではなく、薄い膜(被膜)に包まれた良性腫瘍です。根本的に治すためには、この被膜ごと完全に取り除く必要があります。
自分で無理に絞り出そうとしても、出てくるのは中身の一部だけで、被膜は体内に残ってしまいます。被膜が残っている限り、脂肪腫は再び大きくなり、再発を繰り返します。
さらに、自己処置によって周囲の組織が傷つくと、脂肪腫と皮膚が癒着してしまうことがあります。癒着が起こると、後から手術を行う際に難易度が上がり、傷跡が目立ちやすくなる原因にもなります。
悪性腫瘍(脂肪肉腫)を見逃すリスク
頻度は高くありませんが、見た目や触り心地が脂肪腫に似た「脂肪肉腫」という悪性腫瘍があります。良性の脂肪腫と脂肪肉腫は、見た目だけで確実に見分けることが難しく、摘出した組織を顕微鏡で調べる病理検査によって初めて診断が確定します。
もし悪性腫瘍であった場合に、自分で針を刺したり強く刺激を加えたりすると、腫瘍細胞が周囲組織に影響を及ぼし、病状が悪化する可能性があります。
脂肪腫の適切な対処法は形成外科での摘出手術

脂肪腫は薬剤によって治療することはできず、根本的に治すためには、脂肪腫を被膜ごと取り除く外科的な摘出手術が唯一の方法となります。そのため、脂肪腫の治療は形成外科で行われることが一般的です。
「手術」と聞くと、「入院が必要なのではないか」「痛みが強いのではないか」「傷跡が残るのではないか」と不安に感じる方もいらっしゃいます。しかし、形成外科で行う脂肪腫の手術は、患者さまの身体的・精神的な負担をできるだけ抑えた治療が行われます。
脂肪腫の手術は、大きさや深さ、発生部位にもよりますが、多くの場合は日帰りで行うことが可能です。局所麻酔を使用するため、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。手術時間も比較的短く、術後は短時間でご帰宅いただき、日常生活へ復帰することができます。
また、形成外科は病変を取り除くだけでなく、「いかに傷跡を目立たせず、綺麗に治すか」を重視する診療科です。切開の位置や縫合方法にも工夫を重ね、見た目への配慮を行いながら治療を進めていきます。
脂肪腫の治療費|健康保険が適用

脂肪腫は良性腫瘍であり、医師が治療の必要があると判断した場合には、健康保険を用いた手術が可能です。そのため、多くのケースで保険診療として治療を受けることができます。
脂肪腫の手術費用は、手術部位が「露出部」か「非露出部」かによって異なります。また、脂肪腫の大きさによっても費用に差が生じることがあります。手術費用の目安については、以下の表をご参照ください。
なお、実際にかかる医療費は、手術費用のほかに、診察料、処方料、検査費用、病理検査費用などが別途発生します。
露出部(顔、首、肘から指先まで、膝から足先まで)の場合
| 切除した粉瘤の直径の合計 | 3割負担 | 1割負担 |
| 2cm未満 | 5,000〜6,000円程度 | 2,000円程度 |
| 2cm〜4cm | 11,000〜12,000円程度 | 4,000円程度 |
| 4cm以上 | 13,000〜14,000円程度 | 4,500円程度 |
非露出部の場合(露出部以外)
| 切除した粉瘤の直径の合計 | 3割負担 | 1割負担 |
| 3cm未満 | 4,000~5,000円程度 | 1,500円程度 |
| 3cm~6cm未満 | 10,000~11,000円程度 | 3,500円程度 |
| 6cm~12cm未満 | 12,000~14,000円程度 | 4,500円程度 |
| 12cm以上 | 25,000円程度 | 8,000円程度 |
脂肪腫に関するよくある質問(Q&A)

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脂肪腫はどのくらいの大きさになったら手術を検討すべきですか?
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明確なサイズの基準はありませんが、徐々に大きくなっている場合や、見た目が気になる場合、衣類の着用時や日常生活で違和感がある場合には、手術を検討するタイミングといえます。
部位や症状によっては、比較的小さくても治療を検討することがあります。
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急に大きくなった場合は注意が必要ですか?
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短期間で急激に大きくなった場合や、これまでになかった痛みや違和感を伴う場合には注意が必要です。まれではありますが、悪性腫瘍(脂肪肉腫)などの可能性も否定できないため、自己判断せず、できるだけ早めに医療機関を受診してください。
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複数の脂肪腫が同時にできることはありますか?
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体質によっては、複数の脂肪腫が同時に、または時間をおいてできることがあります。すべてを同時に手術するかどうかは、脂肪腫の大きさや部位、症状、患者さまのご希望を踏まえて判断します。
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脂肪腫ができやすい体質や原因はありますか?
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脂肪腫の明確な原因は分かっていませんが、体質や遺伝的な要素が関与していると考えられています。生活習慣や食事の内容が直接の原因になることは、一般的には少ないとされています。
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手術後に日常生活で気をつけることはありますか?
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術後しばらくは、創部を清潔に保ち、強い圧迫や摩擦を避けることが大切です。シャワーや運動の再開時期については、手術内容や部位に応じて異なりますので、医師の指示に従ってください。
脂肪腫の治療は当院までご相談ください

神奈川県横浜市の「神奈川皮膚のできものと粉瘤クリニック 古林形成外科横浜院」では、脂肪腫の治療を日帰り手術で行っています。
当院では、皮膚領域を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科医が診療を担当しています。患者さま一人ひとりの状態に合わせ、豊富な知識と経験に基づいた治療をご提供いたします。
脂肪腫でお困りの方は、当院までお気軽にご相談ください。




