皮膚がんとほくろの見分け方｜早期発見のポイントを解説！
神奈川県横浜市の「神奈川皮膚のできものと粉瘤クリニック 古林形成外科横浜院」です。当院では、皮膚がんの診断および治療を行っています。
本記事では、皮膚がんとほくろの見分け方、早期発見のための適切な対処法などについて解説します。ぜひご参考ください。
皮膚がんとほくろの基本知識
皮膚がんとほくろを見分けるためには、まずそれぞれの基本的な知識を理解することが大切です。ここでは、皮膚がんとほくろの定義や特徴について解説します。
皮膚がんとは
皮膚がんは、皮膚に発生する悪性腫瘍の総称で、がん細胞が増殖して腫瘍を形成する病気です。腫瘍には良性と悪性がありますが、皮膚がんは再発や転移のリスクがある「悪性腫瘍」に分類されます。
皮膚がんには、比較的進行が穏やかなものから、進行が早く悪性度の高いものまでさまざまな種類があります。代表的な皮膚がんには、以下のようなものがあります。
- 基底細胞がん
- 悪性黒色腫（メラノーマ）
- 有棘細胞がん（扁平上皮がん）
発症の原因としては、遺伝的素因や慢性的な皮膚の損傷などもありますが、最も大きなリスク因子とされているのが紫外線です。長時間にわたって日光にさらされることで皮膚細胞にダメージが蓄積し、細胞の遺伝子が損傷することで、がん化するリスクが高まると考えられています。
ほくろとは
「ほくろ」は、医学的には色素性母斑（しきそせいぼはん）と呼ばれる良性腫瘍の一種です。皮膚の中でメラニン色素を作る「メラノサイト」が変化し、「母斑細胞」として増殖することで形成されます。
ほくろには以下のように、さまざまな形や色のバリエーションがあります。
- 平坦なもの、盛り上がったもの
- 褐色や黒色、時には肌色に近いものも存在
- 直径数ミリ程度のものから、10ミリを超えるものまで大きさもさまざま
通常、ほくろは健康に悪影響を及ぼすことはほとんどなく、多くの場合は治療の必要もありません。しかし、まれに基底細胞がんや悪性黒色腫（メラノーマ）といった悪性腫瘍が含まれることがあるため、異変を伴う場合には注意が必要です。
皮膚がんとほくろの見分け方
皮膚がんの中には、見た目や症状が「ほくろ」と似ているものもあり、区別が難しいケースが少なくありません。ここでは、良性のほくろと悪性腫瘍（皮膚がん）を見分ける際の基本的なポイントをご紹介します。
「硬さ」や「表面」の違い
悪性腫瘍は、一般的に硬く、でこぼこした感触をしており、周囲の組織に癒着しているため、押しても動きにくいことが特徴です。一方で、良性のほくろは柔らかく、表面がなめらかであることが多く、周囲の皮膚と独立していてコリコリと動く傾向があります。
また、悪性腫瘍の表面には以下のような特徴がみられることがあります。
- 出血しやすい
- 表面がジクジクしている（滲出液＜組織や細胞からしみ出た液体＞を伴う）
- 周囲の皮膚との境界が不明瞭
- かさぶたやただれがみられる
ただし、これらの症状がない場合でも皮膚がんであることはあります。そのため、見た目に明らかな異常がなくても、自己判断は避けることが重要です。
正確に見分けるためには
皮膚がんかどうかを正確に見極めるには、最終的には専門医による診察が必要です。外見や触感のみで、良性か悪性かを完全に判断することはできません。
ほくろに変化が見られた場合や、皮膚がんが疑われる場合は、早めに形成外科や皮膚科などの専門医を受診し、適切な診断を受けることが大切です。
皮膚がんとほくろの検査
皮膚がんとほくろを正確に見分けるためには、専門的な検査が不可欠です。まず、専門医が視診および触診を行い、病変の形状、色調、境界の明瞭さ、盛り上がりの有無、出血やかさぶたの有無といった所見を評価します。
次にダーモスコピー（皮膚拡大鏡）という特殊な拡大観察装置を用いて、肉眼では捉えにくい皮膚表面の構造や色調のパターンを詳細に観察します。これにより、悪性かどうかをより高い精度で判断することが可能となります。
悪性黒色腫（メラノーマ）など、進行性や転移性のリスクが高い皮膚がんが疑われる場合には、リンパ節や内臓への転移の有無を評価するために、超音波検査、CT、MRIなどの画像診断が行われる場合があります。さらに、確定診断を行うためには、病変の一部あるいは全体を切除して病理組織検査を行います。
これらの検査結果をもとに、皮膚がんと診断された場合には、腫瘍の種類や進行度に応じて適切な治療方針が検討されます。
まとめ
皮膚がんの中には、見た目や症状が「ほくろ」とよく似ており、区別が難しいケースも少なくありません。見分けるための一つの目安として、「硬さ」や「表面の状態」の観察がありますが、外見や触感だけで良性か悪性かを正確に判断することは困難です。皮膚がんかどうかを見極めるには、最終的に専門医による診察が欠かせません。
皮膚がんとほくろを正確に見分けるためには、視診や触診に加えて、ダーモスコピー（皮膚拡大鏡）を用いた検査が行われます。さらに、進行性や転移のリスクが疑われる場合には、超音波検査、CT、MRIなどの画像診断が行われることもあります。
皮膚がんの早期発見のためには、見た目の変化や違和感を感じた際に、速やかに専門医を受診し、適切な検査と診断を受けることが重要です。
皮膚がんの治療は当院までご相談ください
神奈川県横浜市の「神奈川皮膚のできものと粉瘤クリニック 古林形成外科横浜院」では、皮膚がんの診断および治療を行っています。
当院では、皮膚領域を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科医が診療を担当しています。検査結果と患者様の状態に応じて、適切な治療方法を丁寧にご説明し、インフォームド・コンセントを重視した診療を行っております。
皮膚がんでお悩みの方、気になる症状がある方は当院までご相談ください。
