粉瘤の手術費用と保険適用についてわかりやすく解説!

神奈川県横浜市の「神奈川皮膚のできものと粉瘤クリニック 古林形成外科横浜院」です。当院では、日帰り手術による粉瘤の治療を行っています。
本記事では、粉瘤の保険適用や手術費用、治療の流れについて解説します。ぜひご参考ください。
粉瘤とは

粉瘤は、「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」や「アテローム」とも呼ばれる良性の皮膚腫瘍です。皮膚の下に袋状の構造(嚢腫)が形成され、その内部に角質や皮脂などの老廃物がたまることで発生します。
ここでは、粉瘤の症状や原因、治療法について解説します。
粉瘤の症状
粉瘤は全身のあらゆる部位に発生する可能性がありますが、特に顔、首、背中、耳の後ろなどに好発します。
初期段階では、皮膚の下に数ミリ程度のやわらかいしこりとして現れ、痛みやかゆみを伴わないことがほとんどです。触れると、コリコリとした感触があるのが特徴です。この段階では日常生活に支障はないことが多いものの、放置すると徐々に大きくなり、皮膚表面にドーム状の隆起として現れます。
また、触ったときに独特な悪臭を伴うこともあります。さらに、細菌感染を起こすと炎症が生じ、患部が赤く腫れて熱を持ち、強い痛みや化膿を伴うことがあります。
粉瘤の原因
粉瘤の明確な原因はまだ解明されていませんが、以下のような要因が関与していると考えられています。
- 毛穴の閉塞
- 皮膚への外傷や摩擦
- ウイルス感染(ヒトパピローマウイルスなど)
- 遺伝的要因
また、体質的に粉瘤ができやすい方もおり、複数の粉瘤が同時に発生したり、繰り返し出現するケースもあります。
粉瘤の治療法
粉瘤は、袋状の構造(嚢腫)の被膜ごと完全に取り除かない限り、治ることはありません。そのため、治療には外科的な摘出手術が必要になります。
手術には主に以下の2つの方法があり、いずれも局所麻酔下で行う日帰り手術が可能です。
くり抜き法
専用の円筒状の器具やメスを使い、粉瘤の中央に小さな穴を開けて、内容物を取り出し、その後に袋状の被膜を丁寧に摘出する方法です。切開範囲が小さく傷跡が目立ちにくく、術後の回復も早いとされます。
切開法
粉瘤のある部分の皮膚を大きめに切開し、内容物と被膜を一体で摘出する方法です。くり抜き法に比べて切開範囲が広くなりますが、炎症を起こしている粉瘤や、被膜が癒着している場合でも対応可能で、再発リスクが低いのが特徴です。
粉瘤の保険適用と手術費用

粉瘤の治療を検討するにあたって、事前に理解しておきたいのが「健康保険の適用範囲」と「手術にかかる費用」です。ここでは、粉瘤の治療が保険適用となるかどうか、そして手術費用の目安について解説します。
保険適用について
粉瘤の治療においては、診察、検査、診断、手術、病理検査などの医療行為は、すべて健康保険の適用対象となります。
また、民間の医療保険にご加入の場合は、契約内容によって手術給付金などの支払い対象となることがあります。(具体的な給付対象や条件については、ご契約の保険会社へ直接ご確認ください。)
粉瘤の手術費用
粉瘤の手術費用は、手術部位が「露出部(顔、首、肘から指先まで、膝から足先まで)」か「非露出部(露出部以外)」かによって異なります。また、粉瘤の大きさ等によっても費用に差が生じることがあります。手術費用の目安については、以下の表をご参照ください。
なお、実際にかかる医療費は、手術費用のほかに、診察料・処方料、検査費用、病理検査費用が発生します。
露出部(顔、首、肘から指先まで、膝から足先まで)の場合
切除した粉瘤の直径の合計 | 3割負担 | 1割負担 |
2cm未満 | 5,000〜6,000円程度 | 2,000円程度 |
2cm〜4cm | 11,000〜12,000円程度 | 4,000円程度 |
4cm以上 | 13,000〜14,000円程度 | 4,500円程度 |
非露出部の場合(露出部以外)
切除した粉瘤の直径の合計 | 3割負担 | 1割負担 |
3cm未満 | 4,000~5,000円程度 | 1,500円程度 |
3cm~6cm未満 | 10,000~11,000円程度 | 3,500円程度 |
6cm~12cm未満 | 12,000~14,000円程度 | 4,500円程度 |
12cm以上 | 25,000円程度 | 8,000円程度 |
粉瘤の日帰り手術の流れ

粉瘤は、放置しても自然には治癒せず、根本的な治療には外科的摘出が必要です。ここでは、日帰り手術で行う粉瘤治療の一般的な流れをご紹介します。
診察
まず、粉瘤かどうかを正確に診断するために、問診・視診・触診に加えて、必要に応じて超音波検査(エコー)を行います。腫瘍の大きさ、部位、炎症の有無、過去の既往歴、エコーでの所見、さらに患者様のご希望などを総合的に判断し、治療方針を決定します。
局所麻酔
手術に先立ち、粉瘤の大きさや位置に応じて皮膚にマーキングを行い、腫瘍の周囲に局所麻酔を注射します。麻酔が十分に効いていることを確認してから手術を開始しますので、手術中の痛みはほとんどありません。
手術
診察で決定した治療方針に基づき、「くり抜き法」または「切開法」のいずれかの術式を選択します。皮膚を切開し、袋状の構造(被膜)と内部にたまった角質や皮脂などの内容物を、丁寧に摘出します。
縫合
切開部の縫合にあたっては、皮膚の自然なシワに沿ったラインをデザインし、目立ちにくい傷あとになるよう配慮します。十分に止血を行ったうえで、形成外科的な縫合法を用いて丁寧に縫合します。
仕上がりの美しさや再発予防の観点からも、縫合は重要な工程となります。
粉瘤の治療は当院までご相談ください

神奈川県横浜市の「神奈川皮膚のできものと粉瘤クリニック 古林形成外科横浜院」では、粉瘤の治療を日帰り手術で行っています。
当院では、皮膚領域を専門とする日本形成外科学会認定の形成外科医が診療を担当しています。患者さま一人ひとりの状態に合わせ、豊富な知識と経験に基づいた治療をご提供いたします。
粉瘤でお困りの方は、当院までお気軽にご相談ください。